ワタシの部屋

ワタシなりの真実をここに

人生を変えてくれる!すごい先生

①「先生」という存在について

 こんにちは、ワタシです。

 突然ですが、世の中には素晴らしい先生ってたくさんいますよね。

 例えば、

 「このばかちんが!」と本気で叱ってくれる先生…

 「諦めたらそこで試合終了」だと教えてくれる先生…

 「今からお前たちを殴る!」と、今なら一発アウトな宣言をしてくる先生など。

 もちろん、現実にいる全ての「先生」と呼ばれる人たちが良い人ばかりとは言いません。

 しかし、心から熱い気持ちをもった先生は、教え子たちの人生に多大な影響を与える存在となるでしょう。

 そんな中でも、ワタシが個人的にこの先生はすごい!と心に刺さった先生を紹介していきたいと思います。

②今回紹介する作品と先生

 ①でも述べたように、現実世界でもフィクションの中でも、素晴らしい先生はたくさんいます。

 紹介したい先生が多すぎて「シリーズにしよう」と思ったわけですが、中でも今回、一番最初に紹介したいと思った先生がこちら。

小説 『青い鳥(重松 清)』 より 村内先生 です。

 きましたね。重松清先生。大好きです。

 実際にどこかに居るんじゃないかと思うような登場人物たちの心情を繊細かつリアルに描写して、日本中を感動の涙でビショビショにすることから、誰が呼んだか涙腺キラー。

 そんな重松先生の作品の主人公だけあって、この村内先生も一見は普通のおじさんです。

 イケメンでもないし、天才でもない。

 当然写輪眼も使えないし、特級術師でもありません。

 じゃあこの村内先生って、何がすごいの?というと…実はこの先生こそ「先生として最も忘れてはならないこと」をしてくれるのです。

③村内先生のすごさとは

 では、この作品の中で村内先生が主に徹底している2つのことを紹介します。

 それは 「たいせつなことを伝える」  

     「ひとりぼっちにしない」         です。

 

 まず1つ目「たいせつなことを伝える」についてですが、ここで重要なのが、「正しいこと」ではなく「たいせつなこと」であるということ。

 どう違うのか…ここは、作中に出てくる文章を少しだけご覧いただきましょう。

 

 (たいせつなことと、正しいことは違うのかと質問した生徒に対して)

 たいせつじゃないけど、正しいことはある。しょうがなくて正しいこと、ほんとうは間違ってるのに正しいことも、ある。

 正しくなくてもたいせつなことだって、あるんだ。

 でも、たいせつじゃない、たいせつなことは絶対にない。たいせつなことは、どんな時でもたいせつなんだ。中学生でも高校生でも、大人でも子どもでも。

 

 どうでしょう。少しだけ原文のままではありませんし、何より話の前後の内容がありませんが、なんとなくニュアンスだけは伝わりましたかね。

 本を読んでストーリーの中で感じていただければ、もっと具体的に、かつ読む人によって色々な解釈ができると思いますが、重要なのは、「大多数の人にとって正しいこと」よりも、「その人にとってたいせつな優先させるべきこと」があるということです。

 この作品の舞台は小学校で、深い悩みを抱えている生徒も小学生なのですが、ワタシは決して子どもに限った話ではなく、現実の大人の世界でも十分起こりうる悩みや苦しみが描かれていると思います。

 それがメチャクチャリアルなので、読んでてしんどいんですけどね。

 例えば自分は今、すごく悩んでいることがある。しかし、周りには誰もわかってくれる人がいないので、解決策もなく味方もいない八方ふさがりな日々…

 そんな時、「君は間違っていない、君が悩んでいるのはたいせつなことだよ」と寄り添ってくれる人がたった一人でもいる。それだけで人は、グッと救われることがあるのではないでしょうか。

 

 次に、「ひとりぼっちにしない」というです。

 これも村内先生が作中で徹底していることですが、やはり原文を少し省略した文章をご紹介させてください。

 

 嘘をつくのは、その子がひとりぼっちになりたくないから。

 嘘をつかないとひとりぼっちになっちゃう子が、嘘をつくんです。

 嘘は悪いことじゃなくて、寂しいことなんですよ

 (生徒が嘘をついていると疑っている、他の教師に対して)

 私はついていないと思うし、もしもついているんだったら、ひとちぼっちなんだから、私そばにいてやらなきゃ。

 私に嘘をついてくれたんだから、私がそばにいてやらなきゃ。

 

 このセリフを読んでいる時点でワタシはもうグチャグチャに大号泣でした。

 この先生の本当の本当にすごい所は、子ども達が嘘をついているかどうかを見抜くだけでなく、なぜ嘘をつく必要があるのか、何を守ろうとして嘘をついているのかを見抜く所にあるのです。

 そこを見抜き、気持ちを汲み取ってくれて、そばにいる。

 そして最後に、そっと背中を押す「たいせつなこと」を教えてくれる。

 それが村内先生なのです。

 

 大人だけでなく子どもでも、「ひとりになりたい」と思う時間はあるでしょう。

 皆でワイワイするのに疲れた時、誰とも喋らずに趣味に没頭したい時など。

 しかし、それは「いざとなったらそばにいてくれる人がいる」と思えるから。

 自分の気持ちに寄り添って、そばにいてくれる人がいない…

 辛くなったら話を聞いてくれる人がいない…

 そんな人との関係の築き方がわからない…

 そういう、「ひとりぼっちになりたい」と思う人は、なかなか居ないと思います。

 子どもだけでなく、大人でも。

 村内先生は、そういったひとりぼっちになりそうな子や、ひとりぼっちになってしまい、心が壊れてしまいそうな子の前に現れては手を差し伸べます。

 そして、その子たちの目に光が宿るのを見届けて、「間に合って良かった」と優しく微笑むのです。

④まとめ

 ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 もう10年以上前に発売された作品ですので、すでに知っているよーという人にはともかく、まだこの作品の存在を知らない人、特に全国の学校の先生に絶対一度は読んで欲しいと心から思えるようなこの作品を紹介したくて書きました。

 実はワタシも、すごく狭いコミュニティで先生と呼んでくれる子どもたちがいます。

 少人数の子どもたちでも十人十色。一人一人見守るのはすごく大変なのに、大勢の子たちを毎日相手にしている先生方に対しては、凄すぎて逆に引いてます。

 作品を見てもらえばわかると思いますが、実際の学校や社会生活の中で全員が村内先生のように行動するのは不可能でしょう。

 しかし、

  ・皆と仲良くやっているように見えても心で傷ついている人

  ・必要以上に笑ったり、暴力的になっている人

  ・自分にとってたいせつなことを、誰にも理解されていない人

 そういった人たちと出会った時、少しでも村内先生を思い出してもらえば、その人にとってあなたは、人生を変えてくれる人になるかもしれません。